コラム

 公開日: 2018-06-07 

親が認知症の場合の生前整理について

親の家の生前整理は難しいと言われますが、親が認知症と診断された場合、その難しさが増します。こういった状況をふまえて、生前整理を真剣に考える必要が出てきます。

認知症とわかった時

親が認知症と診断された時、そのことを本人に告げるかどうか家族はたいへん悩む、ということを聞きます。「告知しないほうが本人にとってよいのではないか」、そうした想いを抱くからでしょう。

また、ドクターも認知症の告知にはとても慎重になるようです。自分が認知症であることを認めたくない、また、家族に知られたくない、という気持ちを推し量りながら、告知の仕方を探ってくようです。

こんなことをお話しするのは、親が認知症と診断された場合、現実の問題として生前整理を考えることになるとおもいますが、生前整理を進めるにあたっては十分慎重に、配慮を持ってすすめる必要があるからです。

もちろん、認知症と診断されたと言っても、現在は進行を抑える薬もありますし、人生の時間は残されています。「その人生を大切にし、人生の証を残す。そのための生前整理」という心がまえを持つことが大切です。

自尊心を傷つけない

親の家を片付ける際、言ってはいけない禁止フレーズがあります。

「もう捨てちゃいなさいよ」「片付けてやってるんじゃない」「早くして」「言うとおりにしてよ」など、命令、断定、押し付けるようなニュアンスを含むグレーズです。

「こうした禁止フレーズを口にしないようにする方が、モノを片付けるより大変」とおっしゃる方も多いようです。しかし、やはり我慢、辛抱が大切です。

親が認知症の場合の生前整理については、より一層の配慮が必要になります。

認知症の度合いが進むと、食事を取ったことさえ覚えていないということになります。生前整理にあたっても、午前中捨てることを承諾したモノも、午後には承諾しことを忘れている、ということも出てきます。そうした時「さっき捨てていいって言ったじゃない」、と言いたくなるのを抑えなければなりません。認知症の方の自尊心を傷つけるからです。

認知症の診断を受けた方はひどく落ち込むといいます。そうした状態にいる親の自尊心を傷つけることは避けたいものですね。

片付けをスムースにするために

片付けは小さなものから始めるようにしましょう。認知症の方は、一気に片付けてしまうと、その変化にとまどい不安を覚えるからです。まず、一部屋を片付け、次に別の部屋を、というように、ゆっくり片付けていきます。

認知症の代表的な症状は記憶力の低下ですが、もう一つ判断能力の低下もあります。

そのため、掃除をしようと思っても「捨てるものが分からない」「どこに片付けたらいいか分からない」ということになり、家の中がゴミだらけになることもあります。
こうした状態になり、家の中に転倒するおそれがあるものが散らばっている場合、そうゆっくりはしていられません。

「もう親の言うことにかまってはいられない。全部片付ける」ということになると思います。
しかし、それでも「ここに置いておくと危ないから片付けましょう」と話しかけ、同意を求めるようにしましょう。

「認知症=思考力がない」ということではありません。話しかけて一時的にでも納得すれば、
親の自尊心を傷つけることなく片付けることができます。

「いやだ」と拒否されたら、一度はそのままにして後でこっそり片付ける、といった方法もあります。大切なことは、話しかけるということ、一時的であっても納得を得るということです。

一般的に、親は自分の家を整理されることを好まないと言われています。自分の思い出のモノを処分されたくないという気持ちとともに、自分の領分を侵されるという感覚を持つからです。これは認知症の親にもあてはまります。

介護の専門家の方の多くがおっしゃるのは、「何事も急がない。無理をしない」ということです。

また、認知症には「回想療法」と呼ばれる療法があります。記憶力は低下していても、古い記憶は残っており、その記憶を思い起こすことで認知症の進行を抑えようとするものです。

そのため、古いアルバムなどは残しておいたほうがいいでしょう。昔の写真を見ながらいろいろな思い出を話すことは、認知症の方が陥りやすい「鬱(うつ)」を防ぐことにつながるとも言われています。

モノが大量にある場合

しかし、モノが大量にある、また、介護のために大きなタンスや書棚を処分する必要があるという場合、ご家族だけでは大変です。そうした際は、経験をつんだ整理業者に依頼する方法があります。

認知症の親の介護はケアマネージャーにケアプランを立ててもらい、日々の介護の相談することになるでしょう。

私たち「やる気グループ」は整理作業にあたって、ご依頼主の意向はもちろん、ケアマネージャーのお考えを聞きながら進めるようにしています。

認知症の親の家の整理にお困りであれば、ぜひご相談いただきたいと思います。

この記事を書いたプロ

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遺品整理士 木村一志

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