コラム

 公開日: 2015-11-09 

普通郵便で現金を送れない理由

弁護士の田沢です。

普通郵便で現金を送れないのには,こんな理由があったのです。
https://lmedia.jp/2015/11/06/68358/
郵便法第17条は、「現金又は郵便約款の定める貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留(括弧内省略)の郵便物としなければならない。」と定めており、現金を普通郵便で送付することを禁じています。
現金を普通郵便で送ることができれば書留で発送するよりも利便性が向上するように思うかもしれません。しかしなぜ法律では禁止されているのでしょうか?
この法律が定められた背景について紹介したいと思います。
●なぜ禁止された?
近年、レターパックを利用して現金を送付させ、これをだまし取る詐欺事件が急増しており、総務省や各都道府県警が注意を呼び掛けています。
そもそもレターパックを利用して現金を送付すること自体、郵便法17条に違反する行為ですので、郵便局では、引受時の検査を徹底し、必要に応じてX線検査装置も使用して確認しているようです。
もしも、現金を普通郵便で自由に送れるようにすると、このような詐欺被害が多発する可能性もあるため、郵便法17条は、詐欺被害を未然に食い止める役割を果たしているということもできます。
しかしながら、郵便法17条の内容そのものは、古い時代から存在していたもので、もともとが詐欺防止を目的にしていたものではなく、普通郵便の送料を低額に抑えることを主眼としていたようです。
つまり、現金を普通郵便で自由に送れるようにすると、悪事を企む人間が闇雲に普通郵便物を狙うようになりかねず、そうなると、普通郵便全体について、このような被害から守るための余計なコストがかかってしまいます。そこで、現金や貴金属等については、それを送付しようとする者だけに特別の料金を課すことで、普通郵便については低額の料金で利用できるようにしたわけです。
●違反の罰則は?
普通郵便で現金を送る行為は、郵便法17条違反となりますが、それ自体に特に罰則が定められてはいません。
しかしながら、郵便法84条1項は、「不法に郵便に関する料金を免れ、又は他人にこれを免れさせた者は、30万円以下の罰金に処する。」と定めておりますので、禁止されていることを知らずに現金を普通郵便で送ってしまった場合ならいざ知らず、恒常的にこれを行っていて、郵便料金を免れる意図があったものと疑われる場合には、罰金刑に処せられる可能性があります。
郵便法17条に違反する行為は罰せられないなどと思っていると、思わぬしっぺ返しをくらいますので、注意が必要です。

*著者:弁護士 田沢 剛(新横浜アーバン・クリエイト法律事務所。8年間の裁判官勤務を経たのち、弁護士へ転身。「司法のチカラを皆様のチカラに」をモットーに、身近に感じてもらえる事務所を目指している。)

当事務所へのご相談予約,お問合せは,お気軽に下記へ


顧問契約に関しては下記をご覧ください。


弁護士 田沢 剛
〒223-0033
横浜市港北区新横浜3丁目19番11-803号
新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
045-478-2660
045-478-2670(FAX)
http://www.uc-law.jp/
http://lmedia.jp/author/tazawa/
http://jijico.mbp-japan.com/author/tazawatakeshi
http://www.chintai-hakase.com/answer/b_urban/index.html

この記事を書いたプロ

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所 [ホームページ]

弁護士 田沢剛

神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 803号室 [地図]
TEL:045-478-2660

  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
Yahoo!ニュース配信

Yahoo!ニュースに配信されました。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161128-00005398-bengocom-socihttps://www.bengo4.com/c_1009/n_5398/歌手のASKA(...

弁護士インタビュー

弁護士ドットコム編集部から,元裁判官の立場でインタビューを受けました。YouTubeにアップして頂きましたので,ご覧ください。https://www.youtube.com/wat...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
裁判官の経験を生かし、倒産処理や遺産相続問題などに取り組む

法的トラブルを解決する身近な弁護士(1/3)

 「まだまだ一般の人にとって、弁護士事務所というのは敷居が高いのかなと感じています。依頼人の悩みに同じ思いで解決にあたることで、弁護士事務所をもっと身近に感じてもらえたらいいなと思っています」 そう話すのは、新横浜アーバン・クリエイト法...

田沢剛プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

裁判官として数々の紛争処理を経験してきたこと

会社名 : 新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
住所 : 神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 803号室 [地図]
TEL : 045-478-2660

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

045-478-2660

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

田沢剛(たざわたけし)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

アクセスマップ

このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

交通事故の被害に遭いましたが,納得できる和解金が得られました。

田沢先生には,大変お世話になりました。 後遺障害14級9号が...

M
  • 40代/女性 
  • 参考になった数(6

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
供述調書捏造って…
イメージ

弁護士の田沢です。またまた神奈川県警の不祥事ですか?供述調書捏造って,なんでそこまでするかな?冤罪の一...

[ 刑事事件雑感 ]

不可解な嘆願書
イメージ

弁護士の田沢です。どうしてこんな嘆願書を作成できたのでしょうか?もしも母親主導で作成したというのであれ...

[ 刑事事件雑感 ]

ASKA再逮捕に寄せて…
イメージ

弁護士の田沢です。昨日頼まれて書いたYahoo!ニュースの記事には書かなかったんだけれど,やっぱり薬物...

[ 刑事事件雑感 ]

原発関連いじめ
イメージ

弁護士の田沢です。横浜市の原発関連いじめ問題,以前,ここのコラム(http://mbp-kanagawa.com/uc-law/column...

[ 時事ネタ ]

取調べ中の暴行で死亡?
イメージ

弁護士の田沢です。奈良県警により取調べを受けていた医師が死亡したのは,取調べ中に警察官から暴行を受けて...

[ 刑事事件雑感 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ