コラム

 公開日: 2014-08-15 

産経新聞ソウル支局長問題

弁護士の田沢です。

産経新聞ソウル支局長が,検察当局に出頭を命ぜらている問題で,オンライン名誉毀損罪なる言葉が出てきたので,解説してみました。
http://jijico.mbp-japan.com/2014/08/15/articles11655.html
産経新聞がインターネット上に掲載した韓国大統領を巡る記事について、市民団体の告発を受けて、韓国の検察当局が「オンライン名誉毀損罪」の適用を検討しているとの報道がなされました。
韓国では、一般の刑法において名誉毀損罪を定めていますが、それとは別に、情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律(情報通信網法)において「人を誹謗する目的で情報通信網を通じて公然と事実をあらわし他人の名誉を毀損した者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は2000万ウォン以下の罰金に処する」「人を誹謗する目的で情報通信網を通じて公然と虚偽の事実をあらわし他人の名誉を毀損した者は7年以下の懲役、10年以下の資格停止または5000万ウォン以下の罰金に処する」と定めて、情報通信網を通じた名誉毀損行為をより重く処罰しています。これが「オンライン名誉毀損罪」と言われるもののようです。
情報が高速で拡散する情報通信網(インターネット)を通じた名誉毀損行為は、それ以外の名誉毀損行為よりも被害が大きく悪質であるとの価値判断があるものと思われます。
ところで、我が国の名誉毀損罪は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」(刑法230条1項)と定めるのみで、摘示した事実が真実か否か、さらにはインターネットを通じた名誉毀損行為であるか否かを区別しておりません。また、現在の相場では、2000万ウォンが200万円、5000万ウォンが500万円程度ですから、韓国におけるインターネット規制は、日本に比べると非常に厳しいものがあるということができます。インターネット上の誹謗中傷で女性歌手や女優が自殺する事件が相次ぎ、それが社会問題になった韓国では、このような規制強化を世論も支持する向きもあるようです。
現在の報道によりますと、産経新聞の問題について韓国検察が適用を検討しているのは、オンライン名誉毀損罪のうち重い方の罪だと考えられますが、8月9日に行われた日韓外相会談において、この問題についてのやり取りがなされたようで、日韓関係にとっては極めて憂慮すべき問題に発展してしまいました。対日感情ばかりが先行して、「報道の自由」の価値に対する慎重な分析が蔑にされることのないように祈るばかりです。

当事務所へのご相談予約,お問合せは,お気軽に下記へ


顧問契約に関しては下記をご覧ください。


弁護士 田沢 剛
〒223-0033
横浜市港北区新横浜3丁目19番11-803号
新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
045-478-2660
045-478-2670(FAX)
http://www.uc-law.jp/
http://mbp-kanagawa.com/uc-law/

この記事を書いたプロ

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所 [ホームページ]

弁護士 田沢剛

神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 803号室 [地図]
TEL:045-478-2660

  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
Yahoo!ニュース配信

Yahoo!ニュースに配信されました。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161128-00005398-bengocom-socihttps://www.bengo4.com/c_1009/n_5398/歌手のASKA(...

弁護士インタビュー

弁護士ドットコム編集部から,元裁判官の立場でインタビューを受けました。YouTubeにアップして頂きましたので,ご覧ください。https://www.youtube.com/wat...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
裁判官の経験を生かし、倒産処理や遺産相続問題などに取り組む

法的トラブルを解決する身近な弁護士(1/3)

 「まだまだ一般の人にとって、弁護士事務所というのは敷居が高いのかなと感じています。依頼人の悩みに同じ思いで解決にあたることで、弁護士事務所をもっと身近に感じてもらえたらいいなと思っています」 そう話すのは、新横浜アーバン・クリエイト法...

田沢剛プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

裁判官として数々の紛争処理を経験してきたこと

会社名 : 新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
住所 : 神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 803号室 [地図]
TEL : 045-478-2660

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

045-478-2660

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

田沢剛(たざわたけし)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

アクセスマップ

このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

田沢先生のことを絶対的に信頼していましたので,すぐに相談させて頂きました。

 これまでにもお世話になったことがあり,田沢弁護士のこと...

O
  • 50代/女性 
  • 参考になった数(9

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
モンスター弁護士登場!
イメージ

弁護士の田沢です。「モンスター弁護士」なんて言葉も出てきてるんですね。そう言われないようにしないといけ...

[ 司法制度改革の弊害? ]

裁判官による侮辱?
イメージ

弁護士の田沢です。裁判官が訴訟活動をしている弁護士を侮辱したようです。内容が本当であれば,確かに訴訟指...

[ 古巣の裁判所 ]

あれから2年
イメージ

弁護士の田沢です。多摩川河川敷で起きた川崎の中学生殺害事件から2年が経ちました。少年事件の実名報道を巡...

[ 刑事事件雑感 ]

三権分立って?
イメージ

弁護士の田沢です。トランプ大統領の発言を受けて,三権分立についての解説を頼まれました。http://jijico.m...

[ 時事ネタ ]

新型ヤミ金にご注意!
イメージ

弁護士の田沢です。新型ヤミ金が横行しているとのことです。昔は債務者の返済が滞ったときに無理矢理債権譲...

[ 消費者問題 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ