コラム

 公開日: 2014-07-18 

いくらなんでも徴兵制はないでしょ?

弁護士の田沢です。

憲法18条に絡んで自民党幹部からとんでもない発言も出ているようです。
http://news.livedoor.com/article/detail/9030556/
徴兵制なんてないでしょ?
http://jijico.mbp-japan.com/2014/07/18/articles11042.html
憲法18条は「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」と定めております。ここでいう「その意に反する苦役」とは、本人の意思に反して強制される労役(肉体的労務)を意味し、徴兵制に基づく兵役も、これに該当するがゆえに同条に違反するとの解釈は、当然のものとしてこれまでほぼ異論がありませんでした。
ところで、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」である集団的自衛権について、日本政府は伝統的に「我が国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するための必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えている」との立場を採ってきましたが、先日、安倍政権は、行使容認の閣議決定に踏み切りました。
我が国が集団的自衛権を行使する場合であっても、基本的には自衛隊を充てるものと考えられますが、集団的自衛権行使の結果、多くの自衛隊員が命を落とすことになったり、あるいは負傷するなどして、人員不足に陥ってしまう事態も十分考えられることです。このような事態になった場合、自衛隊の人員不足をそのまま放置して、その後の個別的ないし集団的自衛権の行使を断念するなどということはあり得ないでしょう。そうなると、その場合の手当ても考えておかなければならず、必然的に「徴兵制」というものが念頭に浮かんでくることになります。
しかしながら、前記のとおり、憲法18条は「その意に反する苦役」を禁止しておりますので、徴兵制を採用するためには、兵役が「その意に反する苦役」には該当しないものと解釈しなければなりません。これまでは同条に違反するとされてきた徴兵制ないし兵役が、ときの政府において「祖国防衛は国民の当然の義務だから、徴兵制は『その意に反する苦役』に該当しない」との強引な解釈をすることにより、憲法改正手続を経ないままに同条に違反しないものとされてしまう懸念は、今般の集団的自衛権行使容認の閣議決定がなされた経緯に照らしても十分にあり得ることであり、現実味すら帯びてきます。
解釈改憲などという手法により、事実上、憲法改正を行うなどということは、国家権力から国民の基本的人権を守る基本法たる憲法を、国家権力の側で自由に改正するのと同じことです。国家権力の暴走に途を開くものとして、到底許されないことでしょう。

当事務所へのご相談予約,お問合せは,お気軽に下記へ



顧問契約に関しては下記をご覧ください。


弁護士 田沢 剛
〒223-0033
横浜市港北区新横浜3丁目19番11-803号
新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
045-478-2660
045-478-2670(FAX)
http://www.uc-law.jp/
http://mbp-kanagawa.com/uc-law/

この記事を書いたプロ

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所 [ホームページ]

弁護士 田沢剛

神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 803号室 [地図]
TEL:045-478-2660

  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
Yahoo!ニュース掲載

Yahoo!ニュースに配信されました。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170623-00006265-bengocom-socihttps://www.bengo4.com/internet/n_6265/ 東京・六...

弁護士インタビュー
インタビュー記事

弁護士ジャパンさんからインタビューを受けました。https://bengoshi-japan.com/interview/archives/828

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
裁判官の経験を生かし、倒産処理や遺産相続問題などに取り組む

法的トラブルを解決する身近な弁護士(1/3)

 「まだまだ一般の人にとって、弁護士事務所というのは敷居が高いのかなと感じています。依頼人の悩みに同じ思いで解決にあたることで、弁護士事務所をもっと身近に感じてもらえたらいいなと思っています」 そう話すのは、新横浜アーバン・クリエイト法...

田沢剛プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

裁判官として数々の紛争処理を経験してきたこと

会社名 : 新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
住所 : 神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 803号室 [地図]
TEL : 045-478-2660

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

045-478-2660

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

田沢剛(たざわたけし)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

アクセスマップ

このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

分かり易い説明とスムースな対応で,無事に和解が成立しました。

自動車事故に遭って困っていたため,保険会社からの紹介を受...

N・K
  • 40代/女性 
  • 参考になった数(1

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
「魔の2回生議員」だけが問題なのか?
イメージ

弁護士の田沢です。「魔の2回生議員」なんて言ってるけど,議員になった途端に万能感を得て偉そうになってい...

[ 時事ネタ ]

裁判所はあなたを守ってくれない…
イメージ

弁護士の田沢です。周防監督の記事ですが,恐ろしい話ですよね。刑事事件だけではなく,民事事件でもそう感じ...

[ 古巣の裁判所 ]

自転車の違反行為に要注意!!
イメージ

弁護士の田沢です。自転車の違反行為も知っておく必要がありますね。傘を差すのもダメ,イヤホンで音楽聴くの...

[ 刑事事件雑感 ]

政権の暴走2
イメージ

弁護士の田沢です。国連特別報告者が日本政府の抗議に反論したようです。日本政府の抗議は,「プライバシーや...

[ 時事ネタ ]

政権の暴走
イメージ

弁護士の田沢です。テロ等準備罪新設法案(いわゆる共謀罪法案)について,国連特別報告者が懸念を表明したこ...

[ 時事ネタ ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ