コラム

 公開日: 2014-07-04  最終更新日: 2014-07-17

号泣会見で問題になった「政務活動費」とは?

弁護士の田沢です。

政務活動費については,もっと厳しく監視すべきですよね。
http://jijico.mbp-japan.com/2014/07/04/articles10775.html
兵庫県議会の野々村竜太郎県議が、不正に政務活動費を計上していた疑いにより開いた釈明会見が話題になっています。野々村氏は2013年度、195回も日帰りの「遠方出張」をしたとして、政務活動費から約300万円の支出を受け取っていたことが判明。政務活動費の不正使用疑惑が浮上していました。
地方自治法100条14項では、「普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない」と定め、同条15項は、「前項の政務活動費の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務活動費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする」と定めています。
もともとは政務調査費という名称で、純粋な調査費用だったにもかかわらず、平成24年の地方自治法改正により活動費という形で使途が拡大。各条例において調査研究費、研修費、会議費、資料作成費、資料購入費、広報費、事務所費、事務費、人件費、その他の経費などといった項目が挙げられているようです。
政務活動費は、議会の会派ないし議員の政策立案に資するためのものですから、その目的外に使用することは許されません。もちろん、会派又は議員の活動は政務活動にとどまらず、政党活動や講演会活動などさまざまなものがあり、渾然一体となっていて明確に区別することは困難ではあります。しかし、だからといってこれらの活動費用の全てを政務活動費で賄ってよいことにはなりません。明確に区別することができないものについては、合理的な方法で案分することが必要となってきます。多くの自治体でも、可能な限り細かい使途基準を定めることを模索しているようですが、会派や議員の活動が多岐にわたることから、使途基準を定めるといっても、限界があるでしょう。
次に、収支報告書への領収書等添付の義務付けの問題があります。あらゆる支出に領収書等の添付を義務付けるのか、一定の範囲で例外を認めるのかなど、この点が不徹底であったりすると、結局は使途の追及を免れることになり、目的外使用を許す結果になってしまいます。
地方自治法100条16項は、「議長は、第十四項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする」と定めていますが、努力義務に過ぎず、議長も同じ議員の中から選出されるものですから、どこまでその役割を期待できるのかは疑問が残ります。
政務活動費の目的外使用といった問題をなくすためには、政務活動費の監査を第三者機関に委託できるようにし、政務活動費であることが明白でないものについては、その返還を求めることができるといった仕組みが必要かもしれません。

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