コラム

 公開日: 2014-06-24  最終更新日: 2014-07-17

セクハラやじ発言

弁護士の田沢です。

ホント失望しますよね
http://jijico.mbp-japan.com/2014/06/24/articles10555.html
東京都議会における塩村議員に対するやじが物議を醸しています。議会においてセクハラやじ発言をした議員に対しては、どのような法的責任が生じるのでしょうか。
まず、地方自治法は、その第六章で「議会」についての定めを置いています。その第九節で議会の「紀律」を定めているところ、その中の第132条において「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」と定めるとともに、続く第133条において「普通地方公共団体の議会の会議又は委員会において、侮辱を受けた議員は、これを議会に訴えて処分を求めることができる」と定めています。
そして、議員に対する懲罰としては、第十節において「公開の議場における戒告」「公開の議場における陳謝」「一定期間の出席停止」及び「除名」の4種類を定めており(同法第135条1項)、前記第132条違反もこれらの懲罰の対象となり、第133条に基づいて処分を求めるというのも、議会に対してこれらの懲罰を求めることを意味します。
もちろん、同法129条1項において「普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを静止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終わるまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる」と定めていますので、議長がその場で積極的な措置を講じることで解決することもあるでしょう。
以上は、あくまでも議会の紀律を維持するための自律的・内部的な作用に基づくものですから、セクハラやじ発言をした議員に対し議長が何らの措置も講じず、議会としても何らの懲罰もしないということは十分にあり得るところです。しかしながら、セクハラやじ発言を受けた特定の議員に対する民事上又は刑事上の責任は、議会の紀律維持の観点から定められた責任とは別のものですから、別途、そのような民事上又は刑事上の責任が生じる余地はあります。
セクハラやじ発言は、会議における議論を活発にするものではなく、対象者に対する個人攻撃ですから、正当な政治的言論の範疇を超えるものです。そうすると、対象者の性的自由ないし性的自己決定権等の人格権や名誉権等を侵害する違法な行為として、民事上で、不法行為に基づく損害賠償請求(慰謝料請求)の対象となるばかりでなく、刑事上も「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」場合の名誉毀損罪(刑法230条)や、「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した」場合の侮辱罪(同法231条)に問われる可能性があります。
セクハラやじ発言をする議員が存在すること自体、忌々しきことです。政治に対する信頼を回復したいのであれば、そのような議員に対しては毅然とした態度で臨むべきではないでしょうか。

当事務所へのご相談予約,お問合せは,お気軽に下記へ


顧問契約に関しては下記をご覧ください。


弁護士 田沢 剛
〒223-0033
横浜市港北区新横浜3丁目19番11-803号
新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
045-478-2660
045-478-2670(FAX)
http://www.uc-law.jp/
http://mbp-kanagawa.com/uc-law/


この記事を書いたプロ

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所 [ホームページ]

弁護士 田沢剛

神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 803号室 [地図]
TEL:045-478-2660

  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
Yahoo!ニュース配信

Yahoo!ニュースに配信されました。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161128-00005398-bengocom-socihttps://www.bengo4.com/c_1009/n_5398/歌手のASKA(...

弁護士インタビュー

弁護士ドットコム編集部から,元裁判官の立場でインタビューを受けました。YouTubeにアップして頂きましたので,ご覧ください。https://www.youtube.com/wat...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
裁判官の経験を生かし、倒産処理や遺産相続問題などに取り組む

法的トラブルを解決する身近な弁護士(1/3)

 「まだまだ一般の人にとって、弁護士事務所というのは敷居が高いのかなと感じています。依頼人の悩みに同じ思いで解決にあたることで、弁護士事務所をもっと身近に感じてもらえたらいいなと思っています」 そう話すのは、新横浜アーバン・クリエイト法...

田沢剛プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

裁判官として数々の紛争処理を経験してきたこと

会社名 : 新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
住所 : 神奈川県横浜市港北区新横浜3-19-11 加瀬ビル88 803号室 [地図]
TEL : 045-478-2660

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

045-478-2660

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

田沢剛(たざわたけし)

新横浜アーバン・クリエイト法律事務所

アクセスマップ

このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

ようやく「事故」が過去のものになりました。

お世話になりました。  後遺症の残る交通事故で,相手側保険...

K
  • 40代/男性 
  • 参考になった数(8

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
供述調書捏造って…
イメージ

弁護士の田沢です。またまた神奈川県警の不祥事ですか?供述調書捏造って,なんでそこまでするかな?冤罪の一...

[ 刑事事件雑感 ]

不可解な嘆願書
イメージ

弁護士の田沢です。どうしてこんな嘆願書を作成できたのでしょうか?もしも母親主導で作成したというのであれ...

[ 刑事事件雑感 ]

ASKA再逮捕に寄せて…
イメージ

弁護士の田沢です。昨日頼まれて書いたYahoo!ニュースの記事には書かなかったんだけれど,やっぱり薬物...

[ 刑事事件雑感 ]

原発関連いじめ
イメージ

弁護士の田沢です。横浜市の原発関連いじめ問題,以前,ここのコラム(http://mbp-kanagawa.com/uc-law/column...

[ 時事ネタ ]

取調べ中の暴行で死亡?
イメージ

弁護士の田沢です。奈良県警により取調べを受けていた医師が死亡したのは,取調べ中に警察官から暴行を受けて...

[ 刑事事件雑感 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ