コラム

 公開日: 2016-01-22  最終更新日: 2016-11-08

平塚でおなじみの相続の専門家がラジオで語る ~ 遺言あれこれ その1 遺言の種類・方式  ~

やっと冬らしくなってきた大寒の午後でした


 1月も後半に入り、暖冬と言われた今シーズンもようやく冬らしい寒い日が続くようになってきました。相続まちなかステーションのある神奈川・平塚も今朝は薄氷が張ってようやく冬本番を感じることができましたが、そんな大寒の1月21日(木)にFM湘南ナパサ『ナパサタイムスアフタヌーン』にコーナー出演してまいりました。




相続相談 平塚|相続まちなかステーション




番組の内容 ~ 遺言あれこれ その1 遺言の種類と方式、エンディングノートとどこが違う? ~


 2011年7月以来、おかげさまでナパサのコーナーでお話をさせていただいて早いもので今回で55回目の出演となりました。ここ数年、一般の方の遺言に対する関心は増す一方ですが、思い返してみるとこの番組では他の制度の解説などで触れたことがあるとはいうものの、遺言をメインテーマとして取り上げたことはなかったかもしれません。そこで、ぜひ一般の方のために遺言の種類や方式、遺言でできることやできないこと、そして無効になってしまう遺言書はどんなものかなどについて3回にわたってお話してきたいと思いますが、まずは恒例の相続・遺言に関する基礎知識の確認をすべく、番組パーソナリティの滝島幹和さんに答えていただくところから始めてみました。


【設問】
  次の、相続や・遺言に関する記述は、正しいか間違っているかを答えてください。

 (1) 自筆証書による遺言書は、公証人が作成した公正証書による遺言書よりも法的効力が低いと
   されているため、ある人が自筆証書遺言と公正証書遺言の2つの遺言書を作成していた場合には
   常に公正証書遺言が優先する。
 (2) 認知症と診断されてしまった高齢者や知的障害があり後見人や保佐人が選任されている成年
   者は、今後一切遺言書を作成することはできず、もし作成したとしてもすべて無効となる。
 (3) たとえ、子のいない夫婦が自筆証書による遺言書を作成する場合であっても、1枚の用紙に連名
   で作成することは認められない。
   
  さて、各々の設問は正しいでしょうか、それとも間違っているでしょうか。

 まず、(1)自筆証書による遺言書と公正証書による遺言書は、単なる方式の違いでしかありませんので、双方が有効に成立したものであれば、その法的効力に優劣はないとされています。相続開始後において、2通以上の遺言書が発見された場合においても、どちらが優先するかについては日付や内容の矛盾抵触によって判断することになりますので、本設問は誤りと言えます。そして(2)15歳以上になれば単独で遺言ができるようになりますが、民法は遺言をするにあたっては遺言能力が必要になるとしています。そして、認知症などによって遺言能力がないとされていた人であっても、一時的に遺言能力を回復することがあるかもしれません。そのような場合においては、医師二人以上の立ち合いによって、遺言をすることも認められているため、たとえ認知症になってしまったとしても今後一切遺言書を作成することができないわけではありませんので、本設問も誤りと言えます。さらに、(3)民法は共同遺言を禁止していますので、夫婦が1枚の用紙に連名で遺言をすることはたとえどのような理由があったとしても認められませんので、本設問は正しいと判断できます。
 以上より、(1)と(2)は誤りであり、(3)は正しいと言えるでしょう。

【遺言の種類と方式、エンディングノートとの違い】

 自筆証書遺言や公正証書遺言など、一度くらいはどこかで聞いたことがあるという方が大半だと思いますが、一方でその違いは何か、さらにはいま流行のエンディングノートとの異同について正確に理解されているかと問われると途端に心もとなくなる方が多いかもしれません。

 そこで、知っておきたい遺言の種類・方式とエンディングノートとの違いについて注意点をいくつか挙げてみました。

 (1)遺言の種類・方式には、自筆証書、公正証書、秘密証書の3種類がある
    → これらは単なる方式の違いにすぎず、法的効力に優劣はない
     
     ・ 自筆証書は、全文・日付・署名を自書し、押印のうえで封印すればよい
     ・ 公正証書は、公証役場において公証人が作成する
     ・ 秘密証書は、遺言者が作成した遺言書を公証人の面前で署名のうえ
      封印する。公証人は、遺言の事実のみを公証し、遺言内容については
      関知しない
        → 相続開始後においては、公正証書方式以外の遺言書については
         家庭裁判所での検認が必要となる

 (2)遺言書とエンディングノートの違い

    公正証書による遺言書は、相続開始後において検認をすることなくただちに
   相続手続に使うことができる。自筆証書・秘密証書による遺言書も検認後は
   不動産の名義変更や銀行預金の引き出し等に用いることができる
      → これに対して、エンディングノートは法的効力が認められないため、相続
       手続に用いることはできない。日記や手紙の域を出ないと言える。

番組出演の感想 


 今回のテーマは『遺言あれこれ その1 遺言の種類・方式、エンディングノートとの違い』でしたが、年々高まる遺言への関心とは裏腹に、一般の方の間では意外にも誤解や思い込みの多いことを日頃から感じ取っておりました。そこで、ひとりでも多くの方が正しい認識を持っていただくとともに、判断に迷った時には私たち法律専門職に対しても相談することの必要性についても理解していただくきっかけをご提供できたとすれば何よりであると感じました。




公正証書遺言作成 平塚|相続まちなかステーション




 今年も、身近な相続・遺言に関するテーマを題材にしながら、地域の皆様に役立つ情報をご提供できるよう頑張ってまいります。最後になりましたが、滝島幹和さん、山田博康さん、そしてお聞きいただいたリスナーの皆様、ありがとうございました。


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相続・遺言・高齢者支援(成年後見・死後事務委任公正証書)の法律専門職 加藤俊光
〒 254-0043 神奈川県平塚市紅谷町9-1 リーデンスタワー湘南平塚2F
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