コラム
公開日: 2015-11-26 最終更新日: 2016-01-22
平塚でおなじみの相続の専門家がラジオで語る ~ 相続の基礎知識 その2 離婚・再婚と相続 ~
街の木々も赤や黄色に色づき始めた晩秋の午後でした
11月も後半に入り、日没の時刻が一段と早くなってきました。相続まちなかステーションのある神奈川・平塚も街路樹の木々が赤や黄色に色づき始めてすっかり秋の深まりを感じさせてくれていますが、そんな晩秋の11月19日(木)にFM湘南ナパサ『ナパサタイムスアフタヌーン』にコーナー出演してまいりました。
番組の内容 ~ 相続の基礎知識 その2 離婚・再婚と相続 ~
ある調査によると、現代ではおよそ2分10秒に一組の割合で離婚が発生しているとのことです。確かに、10年前、20年前と比較しても離婚や再婚の経験がある方はそれほどめずらしいことではなくなってきているのが実感できます。しかし、一般の方にとっては離婚時に養育費や年金分割等についてきちんと取り決めをしておく方は少しずつ増えてきたように感じていますが、相続に関する諸問題についてきちんと対策を取っておくという方は私が知る限り皆無に近いというのが現状です。これは、離婚や再婚が相続にどのような影響を及ぼすのかがほとんど知られていないことが最大の原因と言っていいのかもしれません。そこで、ぜひ一般の方のために離婚・再婚と相続におけるトラブル事例とその対策に関して正しい情報をご提供したいと思いますが、まずは恒例の相続・遺言に関する基礎知識の確認をすべく、番組パーソナリティの滝島幹和さんに答えていただくところから始めてみました。
【設問】
次の、相続や・遺言に関する記述は、正しいか間違っているかを答えてください。
(1) 子どものいる夫婦が離婚をした場合、その子どもは親権を有する一方の親の相続人となることは
できるが、親権を有しない他方の親の相続人となることはできない。
(2) 前婚において子をもうけた女性が、子の親権を取得して別の男性と結婚した。この場合において、
母親が再婚をしたという事実だけではこの子供は母親の再婚相手である新しい父親の相続人とな
ることはできない。
(3) 子どものいる夫婦が離婚をする際に親権は母親が取得することで合意し、それからは一切の交流
を絶って10年以上が経過し今では全くの音信不通状態となっている。このような事情の下で父親が
死亡した場合においては、相続手続きを開始するにあたってもはや再婚した母親や母親に引き取ら
れた子どもの承諾や関与を求める必要はない。
さて、各々の設問は正しいでしょうか、それとも間違っているでしょうか。
まず、(1)婚姻関係にあった夫婦に子供が生まれた場合で、その後父母である夫婦が離婚をしたとしても子供は父母双方の相続人であり続けます。離婚時において親権を定めたとしても、その後相続人となるかどうかには全く関係がないことから、本設問は誤りであると言えます。そして(2)前婚において子をもうけた女性が離婚後に子を連れて他の男性と再婚した場合において、母親が再婚をしたとしてもその事実だけでは子は母親の再婚相手である新しい父親の相続人となることはできません。再婚相手である新しい父親と養子縁組をするか、または遺言書で配慮がなされない限り相続人となることはありませんので、本設問は正しいと判断できます。さらに、(3)前述のとおり、離婚をした夫婦のどちらがこの親権を持つかということと、誰が相続人になるかという問題は関係がなく、父母が離婚後に交流があるかないかも相続人の範囲には関係がありません。したがって、離婚をした妻は相続人から外れても、子は父親の相続人であることには変わりなく、相続人である以上は相続手続において関与や承諾を必要とする場面もあることから、本設問は誤りと判断できます。
以上より、(1)と(3)は誤りであり、(2)は正しいと言えるでしょう。
【離婚・再婚が相続にどんな影響を及ぼすか】
ひと昔前に比べると、離婚・再婚経験のある方もそれほど珍しい事ではなくなってきましたが、『離婚・再婚が相続に及ぼす影響』や『離婚・再婚が相続とどのような関係があるのか』について正しく理解されている方はそれほど多くはないというのが正直な感想です。特に、20代や30代で離婚・再婚を経験される方にあっては、養育費の問題や年金分割などに関心を持つ方はあっても、何十年も先に起こるであろう『相続問題』にまで思いを巡らせるのは難しいことなのかもしれません。
そこで、知っておきたい離婚・再婚と相続の関係やしっておきたい注意点をいくつか挙げてみました。
(1)離婚・再婚経験のある方は、思わぬ方が相続人となったり、逆に相続してほしい方が相続できない
ことがありえる
→ 相続人を正しく把握しましょう
・ 離婚をした配偶者は相続人となることはない
・ 父母が離婚をしたとしても、子は父母双方の相続人であり続ける。親権とは無関係。
・ 母親が子を連れて再婚をしたとしても、その子は母親の再婚相手である新しい父親の相続人
とならない。
→ 養子縁組または遺言書による配慮が必要
(2)離婚・再婚経験のある方は遺言書が必須ではないでしょうか
子や新しい家族を不毛で醜い相続トラブルに巻き込まないためにも、遺言書を書きましょう
→ 別れた配偶者はもちろん、新しい家族にとっても必要な最低限の思いやり
番組出演の感想
今回のテーマは『相続の基礎知識 その2 離婚・再婚と相続』でしたが、離婚・再婚件数の増加とは裏腹に、一般の方には離婚・再婚と相続がどのように関係するのか、意外にも誤解や思い込みの多いことを日頃から感じ取っておりました。そこで、ひとりでも多くの方が正しい認識を持っていただくとともに、判断に迷った時には私たち法律専門職に対しても相談することの必要性についても理解していただくきっかけをご提供できたとすれば何よりであると感じました。
来月以降も、身近な相続・遺言に関するテーマを題材にしながら、地域の皆様に役立つ情報をご提供できるよう頑張ってまいります。最後になりましたが、滝島幹和さん、山田博康さん、そしてお聞きいただいたリスナーの皆様、ありがとうございました。
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相続・遺言・高齢者支援(成年後見・死後事務委任公正証書)の法律専門職 加藤俊光
〒 254-0043 神奈川県平塚市紅谷町9-1 リーデンスタワー湘南平塚2F
相続まちなかステーション(加藤法務行政書士事務所)
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平塚を拠点とし、神奈川県湘南、西湘、県央、足柄地域
(茅ヶ崎、藤沢、鎌倉、大磯、二宮、小田原、厚木、海老名、寒川、伊勢原、秦野、松田)
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(どこに相談しても解決できなかった方に最後に見ていただきたいホームページ)
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