コラム

 公開日: 2017-11-14  最終更新日: 2017-11-18

船員就業規則に必要なもの②

海運業や旅客船業等の船に関わる企業の皆様を
「縁の下からサポート」させて頂いている海事代理士事務所です。
船舶手続きの専門家  海事代理士 松本誠のコラムへようこそ!

先日は、船員就業規則の「絶対的記載事項」について書きましたが、
今回は、「相対的記載事項」についてです。

相対的記載事項とは、必ずしもこれを記載することは必要ではないけど、もしこれらの制度に関して何らかの定めをするのであれば、必ず就業規則に記載しなければならない事項のことです。

陸の労働基準法には下記のように定められております。

1.退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算および支払の方法、ならびに退職手当の支払の時期に関する事項
2. 臨時の賃金等(退職手当を除く。)および最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
3.労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる場合においては、これに関する事項
4.安全および衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
5.職業訓練に関する定めをする場合には、これに関する事項
6.災害補償および業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
7.表彰および制裁に関する定めをする場合においては、これに関する事項
8.その他当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

比較してみてください。

船員法にて下記のように定められております。

一 食料並びに安全及び衛生
二 被服及び日用品
三 陸上における宿泊、休養、医療及び慰安の施設
四 災害補償
五 失業手当、雇止手当及び退職手当
六 送還
七 教育
八 賞罰
九 その他の労働条件

書き方は違いますが、ある程度同じ内容となっていると思います。
ただ、「六 送還」だけは船員法独自の記載になっているのが分かると思います。

なぜかというと、船員にとってはかなり大事なことだからです。

船は、日本以外のところに行くこともあり、そこから下船して日本に戻ることも多々あります。
また、日本でも、住んでいる場所と下船した場所が違ければ、自宅まで帰る必要があります。

船員法の条文(下記記載)を見ていただくと、細かく書いてあります。

自己都合で船を下船(雇入契約の解除)した場合に、船舶所有者が自宅までの送還費用を支払わず帰れないということもありえますからね~(゚ω゚; )

(送還)
第四十七条 船舶所有者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港又は雇入港までの送還に要する費用の範囲内で送還することのできるその他の地(雇入れのため雇入港に招致した船員及び未成年者の船員にあつては、雇入港若しくは雇入契約の成立の時における船員の居住地又はこれらのいずれかまでの送還に要する費用の範囲内で送還することのできるその他の地。次項において「雇入港等」という。)まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。
一 第三十九条の規定により雇入契約が終了したとき。
二 第四十条第一号又は第六号の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
三 第四十条第五号又は第四十一条第一項第三号の規定により船舶所有者又は船員が雇入契約を解除したとき。ただし、船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあつたときは、この限りでない。
四 第四十一条第一項第一号又は第二号の規定により船員が雇入契約を解除したとき。
五 第四十二条の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
六 第四十三条第二項の規定により船員が雇入契約を解除したとき。
七 雇入契約が期間の満了により船員の本国以外の地で終了したとき。
八 船員が第八十三条の健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。
○2 船舶所有者は、第四十条第二号から第四号までの規定により雇入契約を解除した場合又は同条第五号の規定により雇入契約を解除した場合(船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のある場合に限る。)において、船員が自己の負担においてその希望する雇入港等まで移動することができないときは、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港等まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。
○3 前二項の規定により船員を送還する場合における輸送手段は、正当な理由がある場合を除き、船員の希望に応じたものでなければならない。
○4 船舶所有者は、第二項の規定により、その費用で船員を送還したとき、又は送還に代えてその費用を支払つたときは、船員に対し、当該費用の償還を請求することができる。
(送還の費用)
第四十八条 船舶所有者の負担すべき船員の送還の費用は、送還中の運送賃、宿泊費及び食費並びに雇入契約の終了の時から遅滞なく出発する時までの宿泊費及び食費とする。
(送還手当)
第四十九条 船舶所有者は、第四十七条第一項の規定により船員を送還する場合には、船員の送還に要する日数に応じ給料の額と同額の送還手当を支払わなければならない。同項ただし書の規定により送還に代えてその費用を支払うときも同様とする。
○2 前項の送還手当は、船舶所有者が送還するときは、毎月一回、送還に代えてその費用を支払うときは、その際これを支払わなければならない。

~~~以上~~~

何事もなく、普通に下船する場合には、船舶所有者は送還費用を支払わなくてはなりませんが、船員が下記の第四十条第2~4に該当する場合には、送還費用を支払い自宅まで帰す義務はありますが、帰るためにかかった費用を船員に対し請求できますので、船舶所有者の方は覚えておいたほうが良いかもしれませんね。


第四十条 船舶所有者は、左の各号の一に該当する場合には、雇入契約を解除することができる。
一 船員が著しく職務に不適任であるとき。
二 船員が著しく職務を怠つたとき、又は職務に関し船員に重大な過失のあつたとき。
三 海員が船長の指定する時までに船舶に乗り込まないとき。
四 海員が著しく船内の秩序をみだしたとき。
五 船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき。
六 前各号の場合を除いて、やむを得ない事由のあるとき。

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