多言語に対応する特許翻訳者
コラム
公開日: 2014-06-01 最終更新日: 2014-08-24
Wordマクロって?
Excelにマクロがあるのは知っているけれど、Wordにもあるの?
そんな声を、ときどき耳にします。
最初からマクロの使用が(ある程度の)前提になっていたExcel と違って、Wordは文書作成ソフト。
マイクロソフト社も大々的に表に出すようなことはしていませんから、知られざる機能だとしても、不思議はありません。
でも、存在するのです。たとえばWord 2007では、[開発]タブの中に、入っています。
最近でこそネット上でWordマクロを公開している人が増えましたが、私が翻訳にWordマクロを使い始めた1997年頃には、「言葉すら通じない」のが当たり前だったほど。
雑誌で翻訳の品質と速度をあげる一助となるマクロプログラムのコードを公開した、2000年。
記事に対する反響は、かなり大きかったです。
それでも、活用しようという人は、ごくごく少数にとどまっていたように見受けられます。
便利そうだとは思っても、心理的な敷居が高すぎるから。
おそらくその状況は、今もさほど変わらないでしょう。難しいと感じる人にとっては、難しいのですね。
ひとつにはおそらく、マクロといえど「プログラム」であることに変わりはないから。
コンピューターに慣れない人にしてみれば、「プログラムを組む」なんていう大それたことは、とても自分には無理だろう・・・と。
わかります。
17年前に初めてマクロというものを知ったとき、私も全く同じでした。
そんなときは、こうやって考えてみてください。
マクロのプログラミングは、人間語(やりたいこと)をコンピューター語(プログラム)に「翻訳」するのと同じ。
使う単語や文法は、あらかじめ決まっています。
それも、日本語や英語などの自然言語と違って、とても数が少ないです。
それでもやはり、難しい感じがしますか?
では、たった1行で良いとしたら?
どうやら、Wordには「マクロ」というものが存在するらしい。
その「マクロ」というものを使って、自分のやりたいことをコンピューターにわかるように、1行で伝える。
そうすると、コンピューターが、以後の作業をラクにしてくれる。
これだったら、できそうな気がしませんか。
もちろん、複雑なことをしようとすれば、プログラムも複雑になります。
最初からいきなり、そういうことをするのではなく、まずは「小さな一歩」から。
ここでは、今後シンプルなプログラムだけをとりあげていきますので、Wordマクロの世界をちょっぴり覗いて楽しんでもらえればと思います。
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