コラム

 公開日: 2012-08-04  最終更新日: 2014-07-17

国境なきグローバル経済とオリンピックに見るナショナリズム

朝日新聞デジタルの「米国の五輪用ユニホーム騒動が示す危機の時代のナショナリズム」  http://www.asahi.com/fashion/column/at/TKY201207180240.html
という記事を読んで、実体経済と生活者の意識のズレを改めて考えさせられました。

「ロンドン五輪用アメリカ選手団のユニホームが中国製だったことをめぐる騒動は、一見バカバカしいようだがよく考えてみないといけないことも潜んでいるように思える。」(朝日新聞デジタルより)という記事の指摘を見て、過ぎ去った過去の思い出が蘇ってきました。

その当時、日本では靴のトップブランドとして君臨していたある有名ブランドが発売したスニーカーが、瞬く間に人気商品となりました。
ところが、そのスニーカーを購入したお客様が後日、ものすごい勢いで店に入ってきて、大声でクレームを捲くし立てたのです。

「このスニーカーは韓国製ではないか! (韓国製だから)明らかに偽物だ!
返金して貰おうじゃないか・・・。」と言うのです。
いくら「本物です。このスニーカーは全て韓国で作っているのです。」と説明しても納得してもらえませんでした。
トップブランドの持つイメージと、その当時(25年以上前)の韓国で製造された商品という実体経済とのズレが起こした不幸な出来事でした・・・。

今回、ロンドンオリンピックのアメリカ選手団のユニホームを手がけたのは、アメリカのトップデザイナーであるラルフ・ローレンさんです。

そして、そのユニホームは他の多くの服飾品と同じように、当然の事として世界の工場たる中国で製造されたのでした。
ナイキのスニーカーだって、iPhoneだって、当たり前のように中国で作られてきたというのに、(その低賃金、低コストの恩恵を受けて、消費大国のアメリカがあるわけですが)今更何を・・・? とは思うのですが、国家間のナショナリズムが発揚されるオリンピックという舞台が、現実の実体経済と愛国心とのズレを招いてしまったようです・・・。

そして肝心だと思うのは、この記事に記された以下の考察でしょう・・・。
「こうしたグローバルな分業体制に問題がないわけではない。現状ではその多くが、価格を抑えるためには必要な単純だがきつくて低賃金の労働を先進国がアジアや東欧などの土地や人件費の安い国に押しつけているだけ、と言わざるをえない。もしリベラルな立場からすれば、そこで発生している過酷な状態を不公平なものとして糾弾すべきだろう。そして、働く側の国の人たちがそういう”分業体制”への抵抗の手段としてナショナリズムを打ち出すなら分かる。」(朝日新聞デジタルより)
「今回の五輪ユニホームの件では、本来はリベラルなはずだった民主党も保守の共和党も一緒になって愛国心や雇用問題をヒステリックに打ち出していることはかなり奇異に感じる。」(朝日新聞デジタルより)

ナイキのスニーカーやアップルのiPhoneが中国で製造されていることに怒るアメリカ人は、今までほとんど居なかったと思われるのに、自国の雇用不安や経済の停滞を外国での製品製造のせいにするのであれば、それを促してきた金融資本主義やグローバリズムの功罪にこそ目を向けるべきだと思うのですが・・・。

どこよりもグローバル主義を信奉し、製造業を低賃金、低コストの国に任せてきたアメリカが、製造業の空洞化による雇用不安という、まさにアメリカの自由主義の旗印の下に推し進めたグローバル主義による弊害を国内に抱え込んだ末、その矛盾の反動として偏狭なナショナリズムが台頭し始めたのだとしたら、この時代の屈折した新たな排斥主義を象徴している事態なのかもしれません・・・。

第8回 足と靴の無料相談会 http://mbp-kanagawa.com/robinfoot/seminar/442/
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/
30min. http://30min.jp/place/918275
E・PAGE http://e-page.co.jp/shop/1338/
濱ともカード http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kourei/hamatomo/

この記事を書いたプロ

有限会社ロビンフット [ホームページ]

シューフィッター 小黒健二

神奈川県横浜市緑区長津田4-2-17 [地図]
TEL:045-989-4807

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
セミナー・イベント
お客様の声
今年の私のサンタさんへ

11月14日に靴を購入した者です。その際には、いろいろありがとうございました。出掛ける時は、いつもこの靴です。今年は一段と美しい紅葉を眺めて、前には考えられな...

サービス・商品

 
このプロの紹介記事
主役は“足”。靴は足を守るための道具

ドイツ整形靴技術+健康靴で、 足の骨格のゆがみ・痛みを改善し、足の健康を守る(1/3)

 「靴っていうのは、足を守るための道具なんですよ」と語るのは、足と靴の相談室・有限会社ロビンフットを経営する小黒健二さん。店内には、日本人の足を考え、解剖学・医学的根拠に基づいて開発された健康靴が並びます。 顧客の大半は50歳代以上の女性...

小黒健二プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

足の痛みの原因を分かり易く解説。テストシューズの体験で納得。

会社名 : 有限会社ロビンフット
住所 : 神奈川県横浜市緑区長津田4-2-17 [地図]
TEL : 045-989-4807

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

045-989-4807

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

小黒健二(おぐろけんじ)

有限会社ロビンフット

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
足の痛みと履きたいデザインの狭間に揺れる女性の気持ち・・・
イメージ

「素敵なパンプスが履きたい!」と思いながらも、足の痛みに悩み続けて未だに願いが叶わないという30代前半のキ...

[ 足と靴 ]

外反母趾からリウマチ足まで「整形靴技術」で足をサポート
イメージ

 運動不足や病気や怪我が原因で足の筋力や機能が低下すると、体を支える土台である足骨格が不安定になり、足や足...

[ 足と靴 ]

マスコミへの不信感とネット情報の信憑性
イメージ

DeNAが運営していた医療系情報サイト「WELQ」のでたらめな運営状況が明らかになり、批判され問題になっています。...

[ ニュース雑感 ]

オーダーインソールと靴との相性
イメージ

以前、当相談室で健康靴と登山靴用にオーダーインソールを作られたご婦人が健康靴の修理のご依頼にご来店されまし...

[ 足と靴 ]

ライフプランを考える
イメージ

先日ご来店いただいた当相談室の長年の顧客であるご婦人との会話の中で、とても貴重なご意見を拝聴しました。「...

[ よもやま話 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ