コラム

 公開日: 2017-11-10 

中足骨骨頭部痛(ちゅうそつこつこっとうぶつう)と角質やタコ、魚の目の形成 その3

足の指先がオープンになる草鞋や下駄と違い、足の指先を保護して覆う形状の靴には、足に合わせるための大事な原則があります。
それは、足の踵を靴のカカト部(カウンターと言います)に密着させ、足指の先から靴先の間に1cm程の「余裕寸」が確保できるサイズを適正サイズとするという事です。
「余裕寸」とは、歩行の際に足指の付け根を基点として踵を持ち上げ、足指で地面を蹴り出すという動きをする際に、指先の曲がり具合と靴底の曲がり具合との関係によって、指先が靴先にズレ込んで靴先に当たらないようにするための余裕として確保するものです。
その「余裕寸」を維持しつつ快適に歩くためには、靴紐をしっかり締めて靴と足との一体性を保つ必要があるのです。

子供の頃から靴の履き方を啓蒙され、洋服のボタンを掛けるのと同じような感覚で生活習慣として確立している欧米と、手を煩わせる事無く脱ぎ履きする鼻緒の履物と同じように靴を取り扱ってしまう日本とでは、靴が足に対して悪い影響を及ぼすリスクに大きな差が出来てしまうのだと思います。
生活習慣の違いで足の健康が脅かされ、足や膝のトラブルや自立を保てなくなって寝たきりに至る傾向が高くなるのだとすれば、足の健康と履物との関係を見直して正しい啓蒙を進めれば、健康寿命を伸ばす結果にも繋がるのではないでしょうか?

中足骨骨頭部痛の原因の一つである「開張足」は、足の親指と小指の付け根を結ぶ線上に形成されていた足の横アーチが扁平になって足の横幅が広がる障害ですが、その原因は靴先で足指の自然な動きを閉じ込めてしまう事による足指の踏ん張る筋力の低下にあります。


そして、「開張足」が進めば足の横幅が広がっていくのに対し、スリムな靴先のデザインの靴で足指の先を閉じ込め続ければ、足指は窄める方向に力が働き、足の横幅は拡がる方向へ力が働くという相反した関係が続き、親指や小指の付け根を基点として関節が「くの字」に変形してしまうのです。
これが外反母趾や内反小趾が起きるメカニズムです。
つまり、中足骨骨頭部痛に悩まれている方の多くが、同時に外反母趾や内反小趾にも悩んでおられると言えますし、外反母趾や内反小趾で悩まれている方の多くが、同時に中足骨骨頭部痛にも悩んでおられると言えます。

最後に、正しい歩き方を身に付ける事も重要なポイントとして指摘しておかなければなりません。


欧米の人達と比べると、私たちはやや前のめりの姿勢で運動会の行進のような歩き方をしているようですが、これもまた、生活習慣として正しい歩き方を啓蒙していないのが原因だとも言われています。
正しい歩き方とは、股関節を起点とした脚の振り子運動を意識して、つま先を上げて自然にカカトから接地するという事が基本です。
そして、カカトが接地する際には膝を真っすぐに伸ばして膝関節を安定させ、視線は少し遠くに合わせるようにして自然に背筋が伸びるようにして歩きます。
さらに、腕を軽く振って歩くと、体が左右にブレずに安定した姿勢を保つことが出来ます。

足の健康を維持し、いつまでも自立した生活を送るために、生活習慣の基本の一つとして足と靴の適合性や靴の履き方や歩き方を見直し、正しい生活習慣を啓蒙する必要があるのではないでしょうか?

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