コラム

 公開日: 2018-05-26  最終更新日: 2018-05-27

こころの病気について

「私」というそれぞれの自己は現象世界の住人であるということが、こころの問題を捉える前提です。
それは意識するかぎりであらゆるコトが存在可能であるという意味でもあります。あらゆる存在が「私」が意識できるかぎりで可能であるという意味でもあります。
「私」が不在であっても、Aという人物が存在しているというのは自明ではあります。しかし、その自明性の前提は「私」がAを意識するかぎりで可能であるということです。
私がただの一度も会ったこともなければ聞いたこともない人は無数にあるでしょう。それでも、私がそうしたことを意識することがなければ存在しないに等しいのです。
このように「私」が意識するかぎりで「世界は存在する」ということが現象的世界の意味です。
このことは意識を失って倒れた人を、救急医が、意識があるかないかと判定するのと軌を一にしています。意識が働かなければ、何事も存在しないことを意味します。
そのことは「私」の存在を措いては「世界は存在しない」、あるいは「実体としての世界は存在しない」という意味をも表しています。
以上に述べたことは、うつ病等の「こころの病い現象」、延いては人間存在の問題などを捉える上で大前提になる重要な問題です。

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