コラム

 公開日: 2012-04-01 

補償制度もきちんと用意されている_その3

前回のコラムの続きです。

②『検査保証制度』
オープンシステム建物登録制度に登録した建物は、日本建物検査株式会社(以下NTK)が指定する検査項目に従って、監理者が検査を行い、監理者は専用webに用意されたフォームで検査報告をしなければなりません。検査の内容は品確法に沿った主要構造部と雨水浸入を防止する部分で、木造2 階建ての建物で12回の検査報告を必要とします。

NTKは、その報告をチェックして、問題があれば指摘・是正させ、問題が無ければ承認します。全ての検査を承認した建物に、完成後から10 年間にわたり、施工ミスによる事故があった場合、NTKは規定する範囲で検査ミスによる弁済金を支払うことにしています。

NTKとは、登録された建物の検査をしてその責任を果たす会社です。
天窓の雨漏り事故を再度例に挙げれば、板金業者のミスが原因で雨漏りし、雨漏りの結果、壁や天井に損害が発生したとします。原因を作った業者がそれを認め、自ら施工した原因部分を是正すれば、壁や天井に与えた損害については賠償責任保険から賄われます。

その時にその業者が倒産していたら、NTKが弁済金を支払うことにしています。ただし、この建物が瑕疵担保履行法の該当物件(新築住宅)であり、原因業者が住宅かし保険に加入義務のある場合は、NTKではなく、住宅かし保険が対応します。

業者が倒産していないが事故原因を認めようとしない場合は、NTKが追加調査し、その業者に原因があったと確認できれば弁済金を支払い他の業者で修補します。そしてその原因をつくった業者には、後日、NTKが相当額を請求することになります。

NTKによる弁済金限度額は、主要構造部の事故に対しては最大500 万円まで、雨漏りによる事故に対しては最大300 万円です。

NTKはその他、原因調査費用として弁済金支払い上限の範囲内で、最大50 万円までの支払いをします。これらは、CM分離発注方式の、問題解決が難しい部分を補うものです。

③『引継補償制度』
オープンシステム建物登録制度では、CM分離発注を取りまとめる設計監理者が、工事中から完成後10年までの間に業務を継続できなくなった時のために、引継ぎ補償制度を用意しています。

オープンネットでは、会員事務所を構成員として、オープンシステム建物補償共済会を運営していて、会員が不慮の事故や病気などにより業務を継続できなくなった場合、別の会員に引き継ぐ費用を100 万円まで補償します。

なぜワンパッケージなのか
登録建物に適用されるオープンシステム補償制度は、各種の保険等を組み合わせたワンパッケージとしています。最近では専門工事業者でも、自主的に保険に入る業者が増えていて、これは喜ばしいことです。

しかし、「保険に入っている」と言う言葉だけで安心してはいけません。CM分離発注のような複雑な契約形態では、それに対応する保険に入っておかないと、いざ事故が起きた時、免責により適用されない場合が多いことを知っておく必要があります。

保険制度で説明したように、CM分離発注に合わせるために保険を組み立てるのは容易ではありません。ただ単純に保険料を安く済ませるために加入した保険は、いざ事故が起きた時に何の効力も発揮しない場合が多いことを、多くの業者は知らないでいます。

よって、オープンネットでは、全国の工事業者が各々条件の違う保険に加入し、補償内容がまちまちになるトラブルを防ぐ為に、完璧な補償体制を目指しワンパッケージにしているのです。

よく業者から、「保険が重複するのでどうすれば良いか」という問い合わせがあります。答えは簡単で、業者が自主的にかけている保険の方を清算すれば良いだけです。

工事のために入る保険は、工事の都度入るか年間の売り上げに対して入るかの2 種類しかありません。なので、前者ならば入らなければ良いし、後者ならば、その工事を売り上げから引いて清算すれば良いだけです。

オープンネットは年間の登録建物を一括して保険契約しています。(契約棟数は、毎年契約更新時に確定清算しています)これだけの保険を個別で申し込んだら倍近い保険料が必要となるはずです。また、検査保証や引継補償も含めれば、これだけの仕組みはどこにもありません。どちらが無駄でどちらを取るかは明らかです。

オープンシステム補償制度の経緯
オープンシステム補償制度は、1999 年1 月に運用を始めました。当時は「オープンシステム建物補償共済会」を組織し、共済会が全ての補償を引き受けていました。補償を確実にするために、損保会社の保険を後ろ盾にした「共済」という形を取りました。

その理由は、工事業者や会員設計事務所が倒産した場合の賠償責任をカバーする保険が無かったからです。共済なら、それがカバーできたからです。

2006 年4 月、保険業法の改正により、オープンシステム建物補償共済会は、組織変更を余儀なくされました。改正保険業法では、それまで国の認可を必要としなかった任意共済について、構成員(補償の恩恵を受けられる人)が1000 人を超えるものは、2 年以内に小額短期保険会社を設立して事業を継続するか、または解散しなければならなくなったわけです。

そこで、オープンシステム建物補償共済会は、構成員を会員事務所だけに限定し、補償内容も会員の倒産だけにしました。そうすることで構成員は1000 人以下になり、小規模共済として存続できるわけです。そして、それまでは会の後ろ盾としていた保険は『保険制度』として前面に出すようにしました。

専門工事業者の倒産の問題については、NTKを新たに設立し、NTKが検査し合格した建物について対応できるようにしました。
現在、登録された建物は累計で3500 棟を超えています。

住宅瑕疵担保責任保険
新築住宅は、CM分離発注であっても住宅瑕疵担保履行法の適用を受けます。つまり、工事を請負った業者は、保証金を供託するか保険に入るか、どちらかを選んで資力を確保する義務を負うことになります。

オープンネットは、国交省に認定された指定検査法人と協力して、該当する新築住宅は必ず住宅瑕疵担保責任保険に入ることにしました。オープンシステムの場合、この指定検査法人から団体認定と、S基準認定を取得しているので、保険料や検査料は一番安くなっています。

CM分離発注を確かなものに
オープンシステム建物登録制度は、世の中の流れに合わせてこれからも変化をしていく必要があるでしょう。しかし、世の中がどう変わろうとも、CM分離発注の問題解決のためにというその目的は、将来も変ることはありません。オープンネットは、建築の専門家という視点で、これからも改善に努めていきます。

それは保険会社には決してできないことですから。

以上、お読みいただきありがとうございました。
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