コラム

2015-07-30

【業務システム:外部委託】ソフト開発業者への要望の伝え方

業務改善コンサルタントの光本です。

ソフト開発業者へシステム開発を依頼したものの、何をどのように伝えればいいのでしょうか?というお悩みをよくお聞きしますので、今回は「ソフト開発業者への要望の伝え方」についてふれてみたいと思います。

このテーマは、ソフト開発会社側からみると、いかにユーザの要望を把握してシステム要件を定義するか?ということと裏返しの関係にあって、実のところ、いったいどうすればエンジニアに要件定義のスキルをつけさせることができるのかというIT業界での人材育成における永遠のテーマ(なかなか解決できない大きな課題)とも言うべきものなのです。

システム構築における多くの失敗プロジェクトにおいて、その理由の筆頭として必ずと言ってよいほど挙がるのが、「最初の段階で要件定義がしっかりとできていなかったから」という理由であり、これがシステムエンジニアリングの永遠のテーマと言われる所以でもあります。

要件定義には、対象となる業種や業務の知識、ITシステムの知識、ヒアリング力、整理・分析力、交渉力、プレゼ力(伝える力)など、多くの幅広いスキル能力が必要とされ、それらはエンジニア一人だけのスキル能力としては、すべての習得はなかなか時間もかかって難しい。

特にプログラマーに求められるスキル能力とも全く異なるため、もともとプログラマー主体の開発会社だけでは難しい業務だということも言えます。
ゆえにチームメンバー全員でそれらのスキル能力を補い合える体制を作らなければ、失敗プロジェクトへ突き進むことになってしまうのです。

要件定義の課題に悩む

さて、そういったソフト開発側の事情も踏まえますと、なぜ発注する側のお客様の方がそこまで配慮しなければならないのかということについては少し横に置いて頂いて、「しっかりとソフト開発業者に理解してもらい認識の齟齬がないように伝える」ことが、如何に失敗プロジェクトにならないために重要なことかということについてはご理解頂けるのではないかと思います。

そこで、長年、システムコンサルティングやシステム開発を行っている会社のエンジニア向けに要件定義の仕方などについて研修講師などもしている立場から、逆に、お客様側に立ってみてエンジニアが要件を定義しやすい要望の伝え方はどのような伝え方なのか、という視点で考えてみたいと思います。

ポイントは、エンジニアのヒアリング力と整理・分析力の不足があったとしても、それを補ってあげながら、しっかりと整理して要望を伝えきるということです。

どういうことかと言いますと、

例えば、システムの構築を依頼すると、エンジニアがやってきて、いきなり「どんなシステムなのかあなたのイメージを教えてください」などと聞かれてしまい、大きなことから小さなことまで、思いつくままに答えていくしかなかった、というパターン。

エンジニアは、すべてを欠かさずメモして持ち帰ってくれたものの、おそらくきちんと整理はできず、場当たり的な形で要望が反映されていたり、誤解されて実装されていたりと、おそらく、あなたの欲しいシステムは手に入らないでしょう。

そうならないためには、まず、そうこられたとしても、イメージを伝える前に、システム化する対象の業務が現状はどのように実施されていて、そこでどのようなことに困っているのかを伝えましょう。
そして、さらにそういった課題が今回のシステム導入で解消されることを望んでいるとしっかりと認識してもらうことが第一です。

次に、システムにやってほしい大きな機能の柱を思い描いてください。

これは、例えば、○○を検索する機能、○○を予約する機能、ユーザへ通知する機能、○○を参照する機能、といった感じで大きく機能の柱を立てるだけに留め、どのような方法や手順でとか、どのような種類、などの細部へは一旦は掘り下げないようにしましょう。
システム全体機能の大枠をまず明確に伝えるということです。

それらを伝えきったと思ったら、大きな柱となる機能それぞれについての要望やイメージがあれば順にそれを伝えながら、すり合わせていきましょう。

要望出しの手順

こうした手順で伝えていけば、エンジニアはあとから自分で要件を整理していく必要がなくなりますので、大きな誤解や認識の齟齬はかなり減るのではないかと思います。

基本的な要望の伝え方は以上になりますが、さらに気を付けた方が良い点としては、What(目的)とHow(手段)をできる限りきちんと分けて伝えるということです。
これは、「手段の目的化」という言い方でシステム構築に限らず、全般的な業務遂行の面でも良く言われていることと同じ話しです。

要件整理においてもこれは例外ではなく、エンジニアが最も混乱しやすく、なかなか要件整理が進まない、あるいは、最終的に偏った要件定義になってしまう原因にもなります。
気にせずに発した様々な要求、要望は、必ずと言っていいほどWhatとHowが混ざってしまいます。

何が目的で何が手段なのかということは、上位と下位で相対的に決まるもので、そもそも分離が難しいものですが、ここでは難しい話しは一旦おいておいて、具体的には、私はこういった手段(手法やツール、技術等々)もいいのではないかと思っているというレベルの要求なのか(例えば、ありがちな話しとして最近流行しているあの技術がいいのではないかと感じている等)、それは必ず実現すべき目的になるような要求なのかをしっかりと伝えましょうということです。

以上のようなことに気を付けてエンジニアに要望を伝えることができれば、あなたの欲しいシステムが出来上がってくる確率は非常に高まりますので、そういった機会がありましたら是非お試し頂ければと思います。

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