コラム

2016-06-12

賃貸経営における「2019年問題」とは何でしょうか?

皆さん、「2019年問題」という言葉を聞いたことはありますか?
この「2019年問題」とは、住宅需要の低下と不動産価格の下落が2019年を境に一層進行するかもしれない、という問題です。

2019年に何が起こるのか?

この2019年問題は、建築・不動産業界に対して大きな影響を及ぼすと言われています。賃貸経営で言えば「空室率の増加」と「家賃下落」が同時進行するということです。
原因となるのは「世帯数の激減」です。
今までの日本は、高齢者の独居や核家族化の進行によって世帯数はずっと増加傾向にありました。住宅は1世帯に対して1つずつ供給されるわけですから、世帯数さえ増えていれば住宅需要は減りませんね。その「世帯数」が2019年に、いよいよ減少を始めると言われています。ある統計によれば日本の世帯数は2019年の5300万世帯をピークに、2035年には4955万世帯まで減少するとされているのです。

世帯数の減少によって何が起こるのか?

まず、「空室率の増加」があります。先程の数字でいえば約350万世帯、6%の世帯数の減少がそのまま空室増加の割合と言い換えていいでしょう。また全国均一に起こるわけではなく、ある地域は2~3%、別の地域は10%以上の減少ということが起こりうると考えられます。
住宅需要減の影響は賃貸だけではありません。新築・中古の別なく戸建て・マンションの需要も減少します。需要が減少すれば価格が下がります。価格が下がれば当然「賃貸」と「持ち家」との競争激化になることになります。
また、競争の激化する街とそうでない街、つまり人が集まる街と人が離れていく街という「二極化」が進みます。魅力のない街から魅力的な街へ人が流れていくことは残念ながら避けることはできません。

2019年問題にどう備えればよいか?

物件力の強化、差別化といったものは今でも勿論ですが2019年以降も当然重要になります。さらに大局的な視野に立てば手段は2つあると言えるでしょう。
ひとつは、「資産の組み換え」です。なるべく早い段階で物件の売却を行い、その資金を基に「人が集まる街」の資産を購入して運営することです。不動産投資の本には必ず書いてあるような基本的な事ではありますが、もう一度「基本」に立ち返って考える必要がありそうですね。例えば東京都内各所はいま東京オリンピックに向けてさまざまな再開発が行われています。当然オリンピック前後には日本国内は勿論世界中から人が集まります。同じ金額で買える物件の広さは今より狭いかも知れませんが、その後の空室リスクや物件価格上昇の可能性などを考えると地方に保有している物件売却、そして都内に物件購入という話は極めて現実的です。
もうひとつは「人が集まらない街」を「人が集まる街」へ育てること。個々の賃貸経営に比べると比較にならないほど大きなスケールの話になります。金額的にも桁違いの話であり大変な道のりであることは間違いありませんが、2035年までにはまだ20年あります。自治体・地元の地主・不動産業者などさまざまな関係者との連携も必要ですが、もし成功すれば空室率の減少を抑えながらさらに「街づくり」という大きなことも成し遂げることができるかもしれません。
賃貸経営を継続するとすれば上記2つの手段に集約されると思いますが、「賃貸経営から撤退する」という選択肢も勿論あります。その場合には、物件を売却した資金を何で運用・保有するのか?次世代にどういう形で引き継いでいくのか?さまざまな方法論を取捨選択していくことになるのでしょうね。

まとめ

日本の人口は今まで右肩上がりに増加していました。その間、医療技術が飛躍的に進歩したということもあり「高齢化」が進みました。今の日本は「高齢化社会」ではなく、「超高齢社会」になっています。高齢者の増加は当然その後の人口減少と世帯数減少につながりますから、「2019年問題」はまず間違いなく起こりうる現実と考えていたほうが良いでしょう。個々の状況に応じた選択肢・方法論をいま考えるか考えないか、重要な局面に来ていると思います。

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