コラム

2016-03-13

「家族信託」の活用で上手な資産のコントロールをしましょう。

昨年2015年に相続税制が改正されて、「家族信託」という新しい手法に注目が集まっています。「信託」と言うと証券会社などで販売している「投資信託」を思い浮かべる人や、何か難しい感じがする人も多いかと思いますが、決して難しくはありません。遺言ではカバーできない被相続人の想いを叶える制度なので、とても便利な制度だと感じています。

家族信託とは?

財産を所有する者が、その財産の運用や管理の権限を誰かに託すのが「信託」です。つまり「家族信託」とは、信託銀行などではなく家族(妻や子、そのほか親族)に財産管理を任せるという事です。財産管理を比較的簡単に、信頼できる家族に任せる事ができるのが「家族信託」のメリットであり、何よりも相続発生の「前」と「後」のそれぞれにメリットがあります。

長寿社会。認知症リスクにどう備える?

日本は高齢化もさることながら、長寿命化に伴う認知症の増加も大きな問題となっています。2025年には65歳以上の5人に1人が認知症に罹患すると言われ、政府や自治体もその対応に動き始めましたね。「家族信託」は、この認知症リスクにも効果を発揮します。
判断能力を失ってしまった場合、一般的には「成年後見人制度」が用いられますが、この制度は本人の財産保全に焦点が置かれているうえに、判断能力を失った後でしか機能しないというデメリットがあります。いっぽうで「家族信託」は、信託後すぐに財産管理が始まり、受託者(財産の管理を委託された人)には目的の範囲内で資産活用を行う権限が与えられます。本人が元気なうちから財産の運用状況を確認できますし、万が一の時にも売却などを行えるだけの権限を信頼できる家族に与えておく事ができるのです。
また、例えば所有するアパートなどを妻に相続する場合について考えて下さい。妻が元気であれば問題ないですが、もし相続発生時に妻が認知症になっていたらどうでしょうか?遺言などによって財産は妻に相続されますが、その財産は成年後見制度のもとで保全されます。成年後見制度はあくまでも保全が目的なので建て替えや売却はもちろん、空室対策などのリフォーム工事も敏速にできません。的確な対策がとられないまま、やがてアパートは不良資産となり、息子や娘に相続されていく事になります。こういう事態は防ぎたいですよね。こういう場合は、受託者(財産の管理をする人)を息子にして、受益者(財産管理から発生した利益を受ける人)を妻にしておきます。そして遺言によって建物自体は妻に相続させるという訳です。遺言を補完するという言い方もできますが、遺言は一度きりなのに対して「家族信託」はそうではありません。生まれていない孫などを受益者にする事もできますので、長いスパンで一族の資産継承が可能になります。

「家族信託」のデメリットは?

もちろん注意点もあります。まず、節税のメリットはありません。また相続税制の優遇措置を受けれない場合もあり、あくまでも遺産分割対策の機能しかない事を理解しておいてください。
そしてこれが一番大切な事ですが、遺産分割対策である以上、信託の「前」に家族との話し合いが非常に大切です。誰を受託者(財産管理を委託される)にするか、誰を受益者(利益を受ける人)にするか慎重に選ぶ必要もあるでしょう。

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