コラム

2015-09-06

最近はやりのLLC(有限責任会社)の本当の意味をご存知ですか?

こんばんは。
相模原のFP長谷川 泰且です。

突然ですが、みなさんは「会社」という単語を聞いたとき、どういう会社を想像しますか?
社長さん(経営者)がいて、社員(従業員)がいて、事務所があって、名刺には「株式会社~」と書いてあって・・・。
一般的にはそれが「会社」ですが、近年まったく違う形態の会社が増えているのをご存知でしょうか?
それは、「LLC(Limited Liability Company)」=エルエルシーです。日本語直訳すると「有限責任会社」となりますが、いわゆる「有限会社」とはまったく別ものです。

今回は、この「LLC」についてコラムしたいと思います。

「LLC」の特徴は『人的資源』です!

「LLC」の特徴を、代表的な法人形態である「株式会社」との比較で簡単に説明します。
詳しい制度の説明は省きますが、実は「LLC」と「株式会社」は制度上の大きな違いはほとんどありません。強いてあげるならば「取締役を設置しなければならないかどうか」だけでしょう。「株式会社」は最低1名以上取締役をおく必要がありますが「LLC」には取締役をおく必要はありません(もちろんおいても構いません)。

では何が違うのか?それは「意思決定と利益配分」です。
分かりやすく言うと「意思決定や利益配分が、出資金額の比率に関係なく自由に決定できる!」という事です。

さらに分かりやすく、出資者が2人(AさんとBさん)の場合の具体例で説明します。

Aさんは、お金はたくさん持っているが知識やノウハウがない。
Bさんは、お金はあまり持っていないが知識やノウハウが豊富である。
この2人が協力して、合計100万円の出資金で事業を開始したと仮定します。
お金はAさんが90万円を、Bさんが10万円を出資しました。そしてこの事業でなんと1000万円の利益が出たとします。

■「株式会社」の場合
まず、利益の配分は出資した金額の割合で決定されます。
AさんとBさんの出資比率は9:1ですから、利益配分も9:1になります。
つまり利益1000万円のうち、Aさんが900万円を得てBさんは100万円しかもらえません。そして事業を行う上での意思決定においても当然のことながら出資金額の多いAさんの意見によるところが多くなります。Aさんが社長(経営者)になって主従関係がはっきりするでしょう。

Bさんはどう思うでしょうか?確かにBさんはお金があまり出せなかったかもしれません。しかしBさんが持っている知識やノウハウを駆使したから1000万円の利益をあげることができたのならば、Bさんはもっと報酬をもらってもいいかもしれませんし、もっと経営に携わりたいと思うこともあるでしょう。それを可能にしたのが「LLC」です。

■「LLC」の場合
まず利益の配分は、自由に決定することができます。
Aさんはお金を出した、そして事業の中心になって利益を生み出したのはBさんだから半分ずつ分けるというのも可能ですし、場合によってはBさんの報酬がAさんを上回っても構いません。
要は「内部で話し合って自由に決めて構いません。」ということです。
また意思決定においても、会社設立時の「定款」で事前に取り決めておくことができます。対外的な「代表」が必要な時も出資金額の多いAさんを代表にするのか、営業の先頭に立つBさんを代表にするのかは自由です。

これが、「株式会社」と「LLC」の決定的な違いです!

いかがですか?すごく単純なことのように見えますが「きわめて大事なこと」だと思いませんか?

目的に合った法人形態をとるようにしましょう。

個人の技術やノウハウは単純に金銭で換算できないものです。
たとえ出資金額は少なくても会社の利益に大きく貢献できる場合は多くあります。その貢献度合いに応じて「利益の配分」や「意思決定」を行うという経営方法を可能にしたのが「LLC」なのです。

実は「LLC」は登記費用が低予算で可能であったり、公証人の認証が不要なので、設立そのものが「株式会社」より容易です。しかしそれだけにとらわれて「LLC」を設立すると、例えば取引先から「あなたの会社は、資金がないからLLCにしたのですか?」など余計な詮索を受けて、逆に信用を失うケースもあります。

もう一度言います。
「株式会社」の主役はお金ですが、「LLC」の主役は「人」です。「個人の能力」です。
決して設立の容易さだけで「LLC」を選ぶことだけはしないようにしてくださいね!

まだまだ日本では知名度の低い「LLC」ですが、欧米では約40年前から「株式会社に匹敵する設立形態」として普及しています。それだけ「個人の能力を会社経営に反映させる」重要性が増しているということなのではないでしょうか?

わたしは「株式会社」を否定するわけでも「LLC」を推奨するわけでもありません。これから起業を考えておられる方、今一度「何を経営資源に置くのか、お金か人か。」を考えてみて下さい。

宜しくお願いします。

この記事を書いたプロ

くらしのデザイン研究所 [ホームページ]

ファイナンシャルプランナー 長谷川泰且

神奈川県相模原市南区鵜野森1-32-21-205 [地図]
TEL:090-5120-6299

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
費用について

費用の全体像は事務所HPをご覧ください。➡http://kurashinodesign.web.fc2.com/cost.htmlファイナンシャルプランナーへお金の相談をするときは、原則有料相談にな...

特色について

全体像は事務所HPをご覧ください。➡http://kurashinodesign.web.fc2.com/index.html■特色は4つあります。  ❶ 相続対策/老後生活資金準備対策の専門ファイナ...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
長谷川泰且 はせがわやすあき

「相続対策」「リタイア後資金」の両輪で豊かな人生を支えるFP(1/3)

 相続対策や老後資金を丁寧に相談に乗ってくれるファイナンシャルプランナーがいます。長谷川泰且さんは、節税対策が主流の相続対策の現状を懸念しています。「現在、相続税のかからない人は、約90%以上いると言われています。相続対策の主流が節税だとす...

長谷川泰且プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

誰もが迎える相続と老後資金を本人と家族が満足するように解決

会社名 : くらしのデザイン研究所
住所 : 神奈川県相模原市南区鵜野森1-32-21-205 [地図]
TEL : 090-5120-6299

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

090-5120-6299

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

長谷川泰且(はせがわやすあき)

くらしのデザイン研究所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

生活費の見直しで『貯金』ができるようになりました。

私は20代独身男性です。昨年就職して今は仕事に夢中ですが...

T・T
  • 20代/男性 
  • 参考になった数(1

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
遺言書を残した方が良いのか、残さない方が良いのか?

毎日暑いですね。暑いうえに、オリンピックや甲子園も見たい・・・やる事は多くて疲れちゃいますね。熱中症や夏バ...

[ 相続 ]

賃貸経営における「2019年問題」とは何でしょうか?
イメージ

皆さん、「2019年問題」という言葉を聞いたことはありますか?この「2019年問題」とは、住宅需要の低下...

[ 不動産賃貸 ]

法人設立のメリット・デメリット

税金対策抜きに不動産投資で利益は得られないと言われるほど、不動産投資と税金は切っても切れない関係です。加え...

[ 法人 ]

「円満相続」について
イメージ

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの長谷川泰且です。今日は「相続」についてコラムします。私は、①...

[ 相続 ]

軽費老人ホームとはどんな施設でしょうか。
イメージ

こんにちは。ファイナンシャルプランナーの長谷川泰且です。今回は、「軽費老人ホーム」について分かりやすく...

[ ライフプラン ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ