コラム

 公開日: 2018-03-29 

誰かと話したい



最近、高齢の方から、
『誰かと話がしたい』
と言うような事を良く聞きます。
特に連合いさんに先立たれ、
一人で暮らしている方が多いです。
たまに 子供や孫から電話があっても、
要件だけ言って、さっさと切られてしまうのだとか。
こんな風に聞くと、
『少しくらい話相手になってあげればいいのに』
と思いますが、子供や孫にも言い分はあります。
『話がループして長い』
『話題と関係のない事を話しだす』などなど…。
私も若い頃は、同じ様に思ってました。
『その話、もう100回は聞いてる』とか
『今の話ししてるのに生まれた時まで遡るん?』
などと思って、祖父母や高齢の方との会話を
ブチっと切ってしまう事も多々ありました。
そうする事で、高齢の方は傷ついてしまわれます。
反省…。



多くの高齢の方は、仕事を退職され、
たっぷりな時間を自分の好きなように過ごされていますが、
現役で仕事や勉強、育児をしている子世代や孫世代は、
起きている時間を目いっぱい使って忙しくしています。
この時間の使い方の違いや、
人と関わる機会が減り、話す相手も減ったことも、
子世代、孫世代とは違っています。
近頃は、地域にコミュニティ・カフェなどもできて、
そこへ、自ら積極的に
人との接点を求めて行かれる方もいますが、
まだ、仕事を現役でされている、
社会で何かしら役割を果たしている高齢の方は、
その延長線上に若い方もいて接点もあるので、
若い世代の人達が何に興味を持っているのかも知る事もでき、
時代の流れにもついて行けいるので、会話が成り立ちますが、
現役を離れて時間が経つと、
それが、分からなくなってしまうので、
接点があっても、会話が成り立たない事が多いのです。



高齢者にとっては、
脳からのアウトプットを増やすことが
脳の老化を防ぐ最良の手段です。
なかでももっとも手軽に効果を期待できるのが
「目の前に相手を置いた、直の会話」なのです。
しかしながら、
加齢による聴力や理解力の低下で、
会話の相手の声が聞こえ難い、
話している内容がすっと理解しづらかったり、
世代の違いで話す言葉のチョイスが違う、
話した事を忘れてしまっていて、
同じ話を何度も繰り返して話すなどから、
スムーズに会話が進まないのです。
また、寂しさを抱えている方も多く、
話し始めると、堰を切ったように
次から次へと話し長くなったり、
誰かに自分の存在を認めて欲しいという気持ちからか、
『私・私・私を見て!!』と言わんばかりに
自分の事をひたすら話されて、
聞く側にとっては会話が楽しめなくなり、
退屈になる事も良くあります。
世代の違いや、
高齢者の方が置かれている環境の違いもありますが、
『誰かと話がしたい』という気持ちを満たす為には、
会話が出来る場所というのも必要、
そして、私が開催するセミナーなどでも、
よく話しますが、話し相手側も、
『聞く』ではなくて、『聴く』という姿勢でないと、
高齢の方の気持ちを満たす事は難しいです。
大まかな目安として、
聴くのが8割、話すのが2割くらいにし、
目の前にいる高齢の方にとって良い聞き手となり、
話しの内容が、
明らかにそれで不都合が起きる場合を除き、
否定しないで受け止める。
また、自分が話す時は、
いつもより低いトーンの少し大きな声で、ゆっくりハッキリと。
私達が、日頃、何気なく使っている言葉の中には、
高齢の方にとっては理解しにくい言葉が意外とあるので、
話をしながら、相手の表情を見て、
会話の内容が理解できているかチェックする事も大切。
そこまでして、高齢の方と会話をするのは・・・
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
核家族化が進んで、それまでは、暮らしの中で、
自然と身についていた高齢の方とのコミュニケーションの取り方も
今では、それを誰かに教えてもらわないと身に付き難い。
一周回ってじゃないけれど、齢を重ねて初めて
高齢の方の気持ちが理解できるようになるのでしょうけれど、
少しずつでも、高齢の方の心理を理解した会話を心がけると、
その姿を次の世代の方が見ていて、
自然と受け継がれていくかもしれませんよね。

高齢者の整理収納は、心身の変化に合わる事は勿論ですが、
ただお部屋の中を片付けるだけでなく、
高齢の方と会話してコミュニケーションをとりながら作業をする事で、
その方の心と体の状況の理解や、
今までの人生を振り返り共有し、これからの人生を考える機会にもなります。
会話をすること、そして楽しい話題を共有して笑いあうことは、
日々の生活に彩りも添えてくれます。
是非、親子で取り組んで頂きたいと思います。

この記事を書いたプロ

comfy living [ホームページ]

講師 弘瀨美加

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